睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、睡眠中に無呼吸状態が繰り返される病気です。日本人のSAS潜在患者数は940万人以上といわれており1)、30~60歳代の約7人に1人が、実はSASを患っているのです1)。 しかし、実際に医療機関を受診しCPAP治療を行っている患者さんは約73万人2)に留まっています。そのため、1人でも多くの方に「もしかしたらSASかもしれない?」と気づいて受診をしてもらいたい。そんな想いで、SASの疾患啓発活動を開始しました。
1)Benjafield AV, et al: Lancet Respir Med 2019; 7(8): 687-698.
2)総務省統計局: 政府統計の総合窓口 e-Stat レセプトデータ
本来、睡眠は日中活動した脳と身体を十分に休息させるためのものですが、OECDの2021年の調査報告では、加盟国33カ国中で日本人の睡眠時間は平均7時間22分ともっとも少なく、全体の平均である8時間28分より1時間以上短いことが分かりました3, 4)。また、別の調査では、30~50歳代男性、40~50歳代女性で、4割以上が睡眠時間6時間未満という結果も出ています5)。SAS患者の場合、さらに眠れている時間が少なくなっている可能性があります。
【試験概要】
対象:1998~2019年のいずれか1年間において、33ヵ国の15~64歳※の男女
※例外:オーストラリア15歳以上、リトアニア20~64歳、中国15~74歳
方法:1日のうち仕事や勉強、家事、育児、睡眠、運動などさまざまな行動に費やす平均時間(平日休日区別なし)を調査した。
3) OECD, Gender data portal 2021: Time use across the world
https://www.oecd.org/gender/data/OECD_1564_TUSupdatePortal.xlsx[2023年10月閲覧]
4) 厚生労働省.「良い目覚めは良い眠りから 知っているようで知らない睡眠のこと」p4
http://e-kennet.mhlw.go.jp/wp/wp-content/themes/targis_mhlw/pdf/guide-sleep.pdf?1691107200047[2023年10月閲覧]
【試験概要】
対象:2019年、全国から無作為抽出された20歳以上の日本人5,701名(男性2,668名、女性3,033名)
方法:留め置き法による質問紙調査とオンライン調査のいずれかの方法で食生活、身体活動、
休養(睡眠)、飲酒、喫煙、歯の健康などに関する生活習慣全般について自己式調査により回答を得た。
5) 厚生労働省. 国民健康・栄養調査 https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kenkou_eiyou_chousa.html
「令和元年 国民健康・栄養調査報告」p56
https://www.mhlw.go.jp/content/001066903.pdf[2023年10月閲覧]より改変
睡眠の質の状況についても、男女ともに20~50歳代では「日中、眠気を感じた」、70歳代女性では、「夜間、睡眠途中に目が覚めて困った」と回答した者の割合が最も高い結果になりました6)。睡眠時間が短いことだけでなく、SASの症状が出ている場合、こうした症状が出やすくなります。
6) 厚生労働省. 国民健康・栄養調査 https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kenkou_eiyou_chousa.html 「令和元年 国民健康・栄養調査報告」p57
https://www.mhlw.go.jp/content/001066903.pdf[2024年3月閲覧]より作成
こんな症状
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睡眠時無呼吸症候群(SAS)
の主なリスク
(海外データ)
※1 Peppard PE, et al: N Engl J Med 2000; 342(19):
1378-1384. より作成
※2 Yaggi HK, et al: N Engl J Med 2005: 353(19):
2034-2041. より作成
※3 Reichimuth KJ, et al: Am J Respir Crit Care Med 2005: 172(12):
1590-1595. より作成
※4 Mehra R, et al: Am J Respir Crit Care Med 2006; 173(8):
910-916. より作成